泣いたり笑ったり(2022年12月2日公開)
●story
夏のバカンスを過ごすため、カルロが長男サンドロの家族と11歳の次男ディエゴを連れ、とある別荘に到着する。サンドロの妻は2人目を妊娠中、息子のアダムはディエゴより少し年下でわんぱく盛り。
一方、隣接する豪奢な別荘には、女優のオリヴィアが娘と一緒に到着し、美術商をする父トニの熱烈な歓迎を受ける。トニの妹夫婦を加えて夕飯を食べに出かけたレストランに、もう一人の娘ペネロペも到着。全員揃ったところで、トニは「結婚するつもりだ。地上で最も優しい男と」と嬉しそうに告白する。」一同は驚くが、なかでもペネロペは戸惑いと嫌悪を隠せない。そんな彼女を尻目に、トニはトイレに立った男性を追い掛ける。
後を追ったのは、離れの客人カルロだった。実はトニが、恋仲にあるカルロとの結婚話を進めるため、カルロの家族を招待したのだ。ところがここへ来て、カルロはどうしても息子たちに打ち明けられないと途方に暮れる。トニが励まし、カルロの頬を手で包んだ瞬間、息子のサンドロがやって来て2人を目撃し、「父親から手を離せ!」とトニに殴りかかる。騒ぎを聞きつけてやって来た娘たちに、トニはチャンスとばかり「私の婚約者家族だ」と紹介するが、それを聞いたサンドロは、腰を抜かしてしまう。
そんな様子を見たペネロペは、結婚を阻止しようとサンドロに共闘を持ちかける。サンドロは卑怯な手を使うのは嫌だと言いつつ、阻止には同意。翌日、ペネロペの作戦どおり、サンドロたちが遊びにやって来る。両家の交流をトニは手放しで喜ぶが、カルロはいまだ幼いディエゴにトニとの結婚をどう話せばいいか迷っている。一方ペネロペが立てた作戦はことごとく失敗し、それによってサンドロが火傷を負ってしまう。病院にサンドロを一緒に運んだペネロペにカルロは”トニとの出会いは病院だった”と恋に落ちた経緯を語るのだった。
ペネロペに呼び出され、彼女の母親で強力な助っ人、ジュリエッタがやって来る。何度も浮気されてきたトニへの恨みもあって、「結婚は許さない。遺産は散々苦しめられてきた私と娘たちのものよ」と結婚阻止に動くことに。ところがカルロの人柄に触れるうち、次第に気持ちが変わり始める。そしてペネロペに、「2人は心から愛し合ってる。早く大人になりなさい」と苦言を呈し去っていく。サンドロもまた、父カルロの幸せそうな姿に心が揺れ始める。
少しずつ2人の関係を認める空気が漂う中、ペネロペだけはまだ身勝手な父トニを許すことができない。さらに落ち込む出来事に打ちのめされたペネロペは、カルロに父への複雑な想いを吐露する。そんな折、子どもたちの面倒をほんの数時間頼まれたトニは、バーで楽しんでいるうちに子どもたちを見失ってしまう。無責任すぎるとトニと口論になったカルロは、ディエゴの人生を優先し、行き方を微塵も変えようとしないトニとの別れを決意するのだったーー。